私たちは東京を拠点に活動していたWebを中心としたデザイン会社です。クリエイティブ関連の仕事は、コーヒーとは切っても切れない関係にあると言っても過言ではないでしょう。それくらい、仕事の様々なシーンでコーヒーを飲んでいます。
当社がまだできる前の頃、メンバーがそれぞれ個人事業主として活動していたときに、あるメンバーが毎朝東京の表参道でコーヒーを買って飲んでいるという話を聞きました。朝のルーチンとして組み込まれていたコーヒーの価格は1杯450円。これが毎月20回繰り返されるので、その費用は月額にして9000円と食費にしては結構高いなという印象を持ちました。
それならば、と当社の代表が機材を買いそろえて新鮮なコーヒーがいつでも飲めるようにしたのが当社とコーヒーとの関わりの原点でした。
いつしか会社を立ち上げ、所在地を東京の表参道に決めました。コーヒーが好きだから?いえ、メンバーそれぞれが通いやすい場所が表参道だったという単純な理由でした。
私たちが事務所を構えたのは表参道から少し入った住宅街の中でした。そこに、日中行列が絶えない謎のカフェがあることがわかりました。店名は伏せますが、ここのコーヒー体験が衝撃的で、私たちは事務所で飲むコーヒーを様々なお店で買うようになりました。このお店はしばらくして建物の老朽化が理由で閉店してしまうのですが、1年ほどたって豆売り店として復活を果たします。
世界中の先進的なロースターから届くコーヒー豆を、飲み方に合わせてセレクトしてもらえるというスタイルにまたしても衝撃を受けた我々は、コーヒー探しのターゲットを海外に向け始めました。
デザインの勉強や視察で韓国やアメリカ、オーストラリアなどへ出張に出る機会があった私たちは、合間を縫って様々なコーヒーショップを巡りました。その中でも特に印象深かったのは、ソウルのAnthracite Coffee Roaster、EL COFFEE、ロサンゼルスのG&Bです。特にソウルでの、誰でも気軽にコーヒーを楽しんでいるというカルチャーに触れたことが、今の店作りに影響していると言えます。
当店のロゴは、韓国語のコーヒーを意味する「커피(コピ)」をモチーフにして、コーヒーと化学の関連を示唆するようなデザインにしました。ちょっぴりおしゃれ系カフェではコーヒーポットの代わりにコニカルビーカーが使われていて、これをグラスに移して飲むというスタイルがあります。映画やドラマでは化学の先生はなぜか実験器具でコーヒーを飲んでいたりします。
当店の代表は化学系出身で、コニカルビーカーはかくはんがしやすいから、見た目がかわいいから採用された訳ではないと思う、と真面目に分析していました。そして、コーヒー器具メーカーのハリオは、化学器具も制作しています。
当店では化学的なアプローチでコーヒーのおいしさや楽しみ方を提案できれば、という思いでロゴにコニカルビーカーを書き入れました。そして常に研究の姿勢を崩さず、最良の結果をお客様にフィードバックしたいという思いを「LAB」に込めました。
クリエイティブの現場で楽しまれていたコーヒーを気軽に皆様に楽しんでいただけるよう、努力して参ります。日本初上陸とか、そういったものではありませんが、応援していただけますと幸いです。