水出しコーヒーがコスパ悪いというのは本当ですか?

水出しコーヒーがコスパ悪いというのは本当ですか?

「水出しコーヒーはコスパが悪い」という噂を耳にしたことはありませんか?この噂は、一杯あたりの費用が割高になりやすい、あるいは抽出に手間や時間がかかるなど、さまざまな要因によって囁かれているようです。そこで、今回は実際に数値や手間、仕上がりの量などの観点から、水出しコーヒーが本当にコスパに劣るのかどうかをじっくり検証してみます。

水出しコーヒーの需要と楽しみ方

まず、水出しコーヒーの需要は実は一年中存在します。夏場はもちろん、冬でも冷蔵庫でストックしておき、冷たい麦茶のように気軽に楽しむ方も少なくありません。特に、仕事や家事の合間に「すぐ飲める冷たいコーヒー」があると便利で、朝作っておけば翌日まで美味しく飲める点が魅力です。

費用面の比較:豆や加工費から考える

「コスパが悪い」という噂は、主に1杯あたりの費用が高くなりがち、という意味合いで使われることが多いでしょう。では、実際に当店での条件で計算してみます。

当店の水出しコーヒーレシピは、ドリップコーヒーと同じブリューレシオ(抽出比率)で行います。たとえば、豆1gあたり12gの水を使うとしましょう。もし75gのコーヒー豆で抽出するなら、使う水は約900g(約900ml)程度。ドリップの場合も、同じ豆の量を使えば、得られるコーヒーの総量はほぼ同じ水準になります。そのため、純粋に豆代と水代だけを比較する分には、さほど大きな差は出ないはずです。

ただし、水出し専用パックなどの加工をお店に依頼する場合、その分の加工費(当店では1袋あたり100円~150円)がコストに加算されます。これが水出しコーヒーに対する「コスパが悪い」という印象を与えている一因になっているかもしれません。

また、抽出後のコーヒー量には微妙な違いが生じることもあります。ドリップ直後のコーヒー量と、水出しパックを取り出した後のコーヒー量には、わずかながら差が出ることがありますが、極端な差ではないため、日常的な消費ペースなら誤差の範囲と考えられます。

時間面の比較:抽出に要する「実質的な手間」

次に、時間的コストを見てみましょう。ドリップコーヒーの場合、お湯を沸かし、豆を挽き、ペーパーフィルターをセットし、適切なペースで湯を注ぎ、抽出が終わるまでつきっきりで作業する必要があります。準備から飲めるようになるまで、だいたい10分程度かかることもあります。

一方、水出しコーヒーはどうでしょうか。水出し専用パックやボトルがある場合、手順は非常にシンプル。ボトルに水とパックを入れて冷蔵庫に放置し、8~13時間後にパックを取り出すだけです。豆を挽く時間を含めても、実質的な「作業時間」は1分程度でしょう。もちろん、抽出完了までに半日ほど待たなければなりませんが、その間は何もする必要がありません。つまり、抽出にかかる「付きっきり時間」は圧倒的に水出しが少なく、長期的なスケジュール管理さえできれば、むしろ手間が大幅に省けると言えます。

ただし、すぐ飲みたいときにはドリップコーヒーが有利です。お湯さえ沸いていれば、10分ほどで香り高いコーヒーを味わえるからです。一方、急な来客やその日の気分で飲みたいとき、水出しだと「今から仕込む」では間に合いません。これらはライフスタイルや飲み方の違いと考えると良いでしょう。

収量面と利便性の比較

最後に、収量面を見てみます。ドリップコーヒーで1杯分を抽出すると、約200ml程度が一般的な目安です。それに対して、水出しコーヒーは同じ75gの豆で900g(約900ml)の水を使うと、抽出後に約800ml程度のコーヒーを得ることができます。水出しの場合、初回である程度多めのコーヒーを仕込んでおけば、数日分を一度に確保できる点が大きなメリットです。

もちろん、ドリップでもバッチブリュー(大量抽出)を行えば、同様に一度に多くのコーヒーを用意できます。ただ、自宅で行うには大きめの器具が必要だったり、風味管理が難しかったりします。水出しはそもそも大量抽出を前提として作られることも多いため、「まとめて作り、少しずつ飲む」スタイルとの相性が非常に良いと言えます。

まとめ:本当に水出しコーヒーはコスパが悪いのか?

これらの観点から考えると、「水出しコーヒーはコスパが悪い」と断定するのは難しいところです。確かに、専用のパック加工をお店に依頼する場合は、その分が豆代に上乗せされて若干割高になります。しかし、豆と水だけで比較すると、むしろ大差はありません。また、抽出の手間という面で見れば、水出しコーヒーはほとんど手間をかけずに大量に作り置きでき、翌日以降もすぐに冷たいコーヒーが楽しめます。

一方、ドリップは手作業が多く、都度抽出に時間を要しますが、そのぶん抽出後すぐに香り高いコーヒーを楽しめるメリットがあります。コストパフォーマンスは「手間・時間・費用・収量」のどこに重点を置くかで大きく変わるため、一概にどちらが有利とは言えません。

当店では、コーヒー豆の水出しパック加工を1袋あたり100円~150円の追加費用で承っています。必要な数のオプションを豆と一緒にご注文いただければ、焙煎後に加工してお届けすることが可能です。水出しコーヒーを手軽に抽出し、より便利なコーヒーライフを楽しんでみてはいかがでしょうか。

コーヒー豆の水出しパック加工のページでは様々なオプションを選んでいただけます。お持ちのボトルや飲みたい量にあわせて1パックあたりの量を決めてください。

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