当店の焙煎度はこれまで、焙煎前後の重量差と煎り止め温度で判断していました。標準値は焙煎時間12分で214℃、焙煎度は214/250で0.856です。
すると豆によっては重量的にはフルシティなのに温度的にはシティなんてことが起こってしまいます。この辺をしっかり定量的に判断したいということで、ローストカラーアナライザを導入しました。
ローストカラーアナライザはコーヒー豆の色を近赤外線などで測定し、アグトロン値というもので表現してくれます。(他には色の明るさなどで判断してる店もあります)
アグトロン値は世界中のロースターで広く使われている値で、焙煎度をいわば世界標準のスケールで表現することができるようになります。しかし、アグトロン値を出せるオリジナルの機器、アグトロンスケールはかなりお高くて今のところ導入のめどは立っていません。そこで、アグトロン値をシミュレートするタイプの測定器を導入しています。近赤外線を使ってアグトロン値を算出するという方法は論文が出てまして読んだこともあるので、その手法が用いられてるんだろうなって思います。
カラーサンプルなどで焙煎度を判断することもできるのですが、人の目は環境によって感じられる色が微妙に変化します。数値としてしっかり管理することが重要なのは普段のデザイン仕事で痛いほど感じていますので、こういった測定器の導入を急がないとなって思っていたところです。
で、このローストカラーアナライザは仕組み上、得られたデータからコーヒー豆の粒の大きさを測定できるように拡張することができます(CV = コンピュータービジョンっていいます)。これを使って挽いたコーヒー豆の大きさの分布を計算できるようにされたものがいくつか販売されています。当店でもこれを導入し、挽き売りに使用しているグラインダーの調整にパーティクルアナライザを使用することにしています。
パーティクルアナライザは試料の大きさがどのような分布になっているのかを画像から計算し、細めなのか、粗めなのかを表示してくれます。これは、グラインダーの調整時にも役立ちますし、お客様に挽き売りするときの挽き目を常に一定にする意味でも役立ちます。
当店はLABと言ってるだけに、こういった測定機器はどんどん増やしていきたいと思っています。次は水分活性値ですね。