業務用のコーヒースケールとそうでないスケールは何が違うんですか?

コーヒー趣味が高じてくると「ドリップスケールを使いましょう」といった話になってきます。ドリップスケールとは、重さと時間を同時に表示してくれるような機能がある秤のことです。

業務用のスケールでもっとも著名なのはACAIA社のもので、弊店でも将来NUMAカテゴリで取り扱いを予定しています。価格帯は2〜3万円となかなか手が出せるものではありません。しかし、カフェなどでの採用率は圧倒的で、数台での運用の場合はACAIAを、よりたくさんの運用の場合はHARIOのV60スケールが使われることが多いようです。

しかし個人の趣味の範囲であるなら、キッチンスケールと手持ちのタイマーで同様のことはできます。では業務用のスケールは何が違うんでしょうか。

ACAIAの最高級スケールは、フロー表示ができるようになっています。通常、ドリップなどでは○秒で○cc入れるといった具合に、特定の時間内に落とすお湯の量を決めることで、ある程度の再現性を持たせます。フロー表示はさらに突っ込んだ機能で、お湯を落とすスピードが速いか遅いかを画面に表示してくれる。というものです。

これを使うことで、決められたレシピでドリップをする際、誰が入れてもフロー表示に従ったスピードでお湯を落とせば、同じコーヒーを作ることができるというわけです。他にも自動TARE(あらかじめ風袋引きを設定できる)、自動タイマースタートなど、業務を効率的に行える機能がたくさん備わっています。

売るつもりなのにこんなこと言っちゃなんですが、1日数杯の美味しいコーヒーが飲めればOKであれば、キッチンスケールとタイマーで全然イケます。弊店の試飲で今使っているスケールは、ニトリのコーヒースケールです。2990円です。たまたま売り場で見つけて買ってみました。使い勝手はそこそこいいんですが、唯一悔やまれるのが「校正できないこと」です。地域や高度による重力の差は、コーヒーを入れる程度の質量であれば全然無視できるのですが、値が狂ったときに修正できないのはつらいかなと。まあ、買い直せばいいんですが。

ニトリスケールは反応も良く、スケールでありがちなスイッチが壊れる問題も、静電容量式のスイッチで耐久性はいいかもしれません。そう、だいたいのキッチンスケールはスイッチがタクトスイッチと呼ばれるタイプのもので、故障はほぼこのスイッチで起こります。

ということで、まずはキッチンスケールなどでコーヒーのお湯の量をチェックしはじめ、こだわりたい時にコーヒースケールにアップグレードするのをオススメします。

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