コーヒー豆の水洗いについて

あるお店で、焙煎前に豆を水洗いしていると宣伝されていました。水洗いの理由として、とぎ汁がとても汚れていることを根拠として、カビやホコリがたくさんついている証拠であるとされていました。

このお店で扱っている豆がどのようなものかわからないのですが、コーヒー豆の水洗いが必要か不要かと聞かれると、不要では?というのが当店の見解です。

まずカビ毒については仮にカビ豆が混入して焙煎されたとしても、健康に影響を及ぼすレベルの含有量になることはないとされています。当店のような少量焙煎の店であれば、焙煎前のピッキングで取り除かれるでしょう。

残留農薬を洗い流すという観点もあるようですが、残留農薬が認められるコーヒー豆はそもそも輸入できません。

次にとぎ汁の汚れについてですが、確かに色がなかなかショッキングで「こんなに汚れてるんだ」となりますが、特にナチュラルの精製がされた豆は、処理の関係で豆の周りに果肉の成分が残ります。これがナチュラルならではの風味をもたらすのですが、水洗いをすればするほど、この部分が流れ出てしまいます。結果としてナチュラルだけどウォッシュドのような味わいになってしまいます。

それなら、手間をかけて水洗いせず、ウォッシュドの豆を使った方がいいのでは??と思うわけです。

ですから当店では豆の水洗いはしておりませんし、業界を俯瞰しても水洗い派はごく少数のようです。

水洗いしないからといって品質が悪くなるわけでも健康を害する訳でもありません。どうかご安心ください。

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